12月になると毎年行われる保育園での発表会。
発達障害の息子を持つ私はこの時期になると気が気ではありません。言ってしまえば憂鬱。
そう、悪目立ちするからです。
年長の今年はどうだろうか、少しは成長したのだろうか。昨年のようにふざけて幕の前に一人出てきておどけて保護者を失笑させるのだろうか。
発表会の本番もせまり練習も佳境に入っているのか、息子はこう言いました。

劇 やりたくない
ほう、意見を言えるようになったか、という呑気な感動を持つ私を横目に息子はさらにこう言います。

劇、やらないで観てる

どうして?

難しい

先生は教えてくれるんでしょ?

先生の言っていることが分からない
今まで出来事や自分の気持ちを言うことができなかった息子。自分の言葉で伝えることができるようになったという成長を心の中で喜びつつ、息子は涙目で訴えてくる。
これはお友達に何か言われたのか?

誰かに何か言われた?

そう

先生?

違う

お友達?

うん

何て言われたの?

……。
答えない息子。
これ以上問い詰めるのはやめよう。
本当にお友達に何か言われたのかは分からないけど、まぁ言われてもしかたないわな…
お友達と同じように完璧にやることは到底息子には難しいことだろう。まして、週3回の登園と少ない上、感染症にかかりしばらくお休みしている間にお友達とどんどん差をつけられてしまったのだろう。
私はこう息子に言いました。

やりたくないから、難しいから最初からやらないのはダメだよ、同じ役の子はいるんでしょ?その子についていけばいいし、セリフはお友達が言ってくれるからまかせればいいよ。全部やるのが難しいならできそうなところ少しだけでいいから練習してごらん?できそうなところだけ頑張ってあとは観てるのでもいいと思うよ。ママも先生に話しておくから
息子はその後、「できるところだけ頑張ればいい?」と安心した表情でことあるごとに何回も聞いてきました。(同じことを何回も聞くのは息子の特性です)
私は担任の先生とお話させてもらいました。
息子が言っていたことを伝え、練習の時の様子を先生にお聞きしました。
すると先生からは「練習はテンションが上がって舞台の前へ前へと行ってしまう」と。
できなくて足を引っ張るというより邪魔しているということですね💦
さらに先生からは「前へ行ってしまうので下がるよう促しているとやりたくなくなってしまうこともある、劇の流れは分かっているし一人で行うところもできている」と聞きました。
劇の他にハンドベルも行うのですが自分の担当の音の番が来るとひたすら鳴らしているとも聞きました。
昨年に続き冷や汗かきまくりかな…と思いつつ
先生に私の気持ちをお話しました。
全部やるのは今の息子には無理だと思っている、できそうなところだけでいい。年長最後なので昨年のようにおどけて邪魔して、しっかり練習してきたお友達の邪魔はしたくない、当日、どうしてもやりたくなかったりテンション上がって邪魔しそうなときは観ているだけでもいい。その代わり、観ているときは静かに見ることを私からも約束させるので先生もそう伝えてほしい。
先生は「なるべく楽しくやってもらえるように、本人に無理なくできるように促していきたい、無理そうなときは私と一緒に舞台袖で観るようにしようと思うのですがいいですか?」と。
楽しくやってもらえるように という先生からの言葉、うれしかったです。息子のことを配慮してくださり感謝の気持ちを伝えお話を終えました。
ところで、先生とお話していてふと思ったことがありました。
舞台の前に一人で出てきておどけているようにみえる姿、今までは上手くできない自分をごまかすための行動と思っていましたが、息子本人にとっては一生懸命やっているつもりだったのかもしれません。「難しい」と涙目で言っていた息子。劇の流れは分かっていると先生からお聞きしたこと。ふざけているようにみえるけれど、(本当にふざけている時もあるけれど)あれは息子にとっては一生懸命の姿で頑張っているのかもしれない、そう思うと今までイラついていた自分に反省し息子にごめんねという気持ちになるのでした。