小学校に進学し心配なことのひとつに通学があげられるのではないでしょうか?
親が送迎していた保育園、幼稚園時代とは違い、自分の足で歩き学校に行かなければなりません。
発達障害がある子どもを持つ親としてはより心配になることのひとつです。
通学班がある、なしは地域により、学校により違いがあります。
息子が通う学校は通学班がありました。
わが家の息子は自閉症スペクトラムと診断されており、集団行動に苦手さがあります。
通学班に入れてもらうことが適切なのか?
保育園年長の頃に心配していたのは、
・決められた列で歩いて行けるのだろうか?列からはみ出たり、決められた通学路でなく違う道に行きたがるのではないか?
・虫が好きな息子は登校途中にしゃがんで地面にいる虫の観察を始めてしまうのではないか。
・班長や上級生から注意されたときに素直に受け入れられずケンカになるのではないか?と心配の塊でした。
班のメンバーに迷惑をかけることで危険な目に合わせてしまうのは避けたいし、特に班長さんには荷が重すぎるのではないか?
1年生のうちは班に入れてもらわない方が良いのではないか?
1年生のうちは個別登校で私と一緒に登校する方がいいのかな…と、もう頭の中は色々な考えでグルグルしていました。
登校班のメリットとデメリット
登校班のメリット
・安全
班長をはじめ上級生がまわりの安全を確認しながら連れていってもらえることで安全といえます。
・集団での規律を学べ成長できる
班登校のルールを守り、協調性や社会性が身につけられることが期待できます。
・地域のつながりがもてる
登校班のデメリット
・集合時間を守るために時間を気にするストレス
・遅れた場合、班を待たせてしまう
・自分のペースで歩けない
・登校中は歩き出したら止まれない(足がかゆい、上着を脱ぎたいなどちょっとしたことでは止まれない)
発達障害児が集団登校するのは無理?
実際に班登校をはじめてみて、年長の時に心配していた点についてどうだったかというと
・班長さんの後ろの並びをまぁまぁ守っています。たまに班長さんと横並びになりそうになる時は注意しています。「こっちの道の方が近いんじゃない」と口に出して言いますが一人で勝手に違う道を行くようなことはありません。
・地面にいる虫の観察をすることはありまん。途中で疲れて座りこむことがありますが私が腕を引いて連れて行っています。
・班長や上級生から注意されたときに素直に受け入れられずケンカになるのではないか?私がいるので班長さんから注意されるような場面がないのですが、もし注意されたら言い返す気がします。自分勝手な言動がみられるからです。
発達障害と一言でいっても特性は様々であり、一概に障害があるから集団登校が無理とは言い切れません。発達障害があっても問題なく班登校できる子もいるでしょう。
発達障害がある息子は、集団で同じ行動をとることはかなりのストレスとなっていたようです。
疲れるから途中で休憩したくて立ち止まってしまう。「休みたい(休憩したい)」と言い出す。
思ったことを口にだして言うので「もっと遅く歩いて」だの、自分がもう少し早く歩きたいと「速く歩いて」と言ってしまうのです。それ以外にも気になったことを全部言い、「どうしてあの人は○○なの?」と失礼なことでも口にしてしまうのです。
さらに体幹が弱く、ランドセルを背負っていくことにかなりの疲労となっていたようです。
私が小学生の頃と違い、タブレットや水筒を持ったり、体育着を持って行ったり、荷物がかなりあります。学校まで集合場所から23分位かかります。集合場所までは6分ほどかかりトータルすると30分ほど重い荷物を持っていくことになるのです。これは普通に考えて本当に大変だなと思います。
一番の懸念は子ども同士でトラブルになったとき、子ども達だけでは対処しきれないと思ったのです。入学し班登校を初めて3日後、後ろを歩く子に靴のかかとを踏まれてしまい、怒った息子とちょっとしたトラブルになりました。私がいたのでなんとか制止しましたが、私がいなければ子ども同士だけで収拾つけられただろうかと班の子ども達を見ていて思いました。
息子本人の気持ちはどうなのか
息子は「班で行きたい」と言いました。
理由は
・班で登校する決まりだから(決まりは守ろうとします)
・班登校をしないと一人で行くのは不安だから
でも、「どうして小学生は歩いて学校に行かないといけないの?」と頻繁に聞いてきます。保育園のように車で送ってくれたらいいのに…と。
悩んだ末、付き添いで班登校することに決める
1年生のうちは途中までついて行っている保護者もいるという情報も聞いていたので、付き添いすることはそんなにおかしく思われないかなと少しホッとしました。
入学前、ランドセルを背負わせ学校まで歩く練習を何回かさせました。途中で「休みたい」と座って度々休憩する。付き添うつもりとは言え大丈夫だろうか?とますます不安に…。
実際はじまってみると色々問題点が見えてきます。
・ランドセルを学校まで背負って行けず途中でおろしてしまう
・雨の日は上手に傘をさしていけない
・「休みたい」「疲れた」と座ってしまう
・「どうしてそんなに早いの?」「班長さん、前の人抜かして」など自分勝手なことを言う。
・おしゃべりが止まらない。(黙って歩くルールです。私が横を歩いているからでしょうが、私がいなくても誰かにかまってもらいたくて話しかけ続けると思います。)前を歩いている他の班の子ども達が息子の大きなおしゃべりに振りかえっています。
・他人のちょっとしたことが許せない
最初の数日でやはり班登校は無理だったか…と眠れなくなるくらい悩むことになるのですが、まだ始まったばかり…なにより息子は文句を言いつつも班で登校したいと言っている、だから頑張って付き添いしていくことにしたのでした。
入学して早々の4月中は教室に入るまで見送り、5月は校門を入るまで付き添い、6月の今は学校のすぐ手前までにしてます。だんだんと付き添い距離を縮めていき、2年生になるときには付き添いしなくても大丈夫なように何に気を付けたらよいかを息子に教えながら付き添って行くつもりです。
とにかく慣れさせる。毎日をこなしていけば慣れてきてみんなと同じように歩いていけるようになると信じていくしかないのです。
班の保護者に特性を伝えるべき?
その子の特性にもより伝えておいた方が助けてもらえることもあるでしょう。
伝えることで理解して見守ってもらえるか、近づきたくないと思われるか反応が分かれるところだと思います。
伝えられた側からすれば我が子に何かされるのではないかと警戒して避けられてしまうかもしれないし「何か問題おこしても障害があるから許せってこと?」とも思われかねません。許してほしいとは思っていないのですが、そう考えると言わない方がいいという結論になりました。どう反応したらよいか悩ませてしまうと思いました。
私の場合、伝えませんでした。話ができそうな保護者がいれば話したと思いますが、コミュ障な私にママ友はいません。登校班のグループラインはあり私も入れてもらいましたが、近所だけど初めて顔を知る保護者ばかりでしたので言いませんでした。私の場合は下手に言わなくてよかったと思っています。
ただ、付き添い登校した初日、学校に着いてから班長さんに「こんな感じで落ち着きないから迷惑かけないようにしばらく私が付き添うからよろしくね、」と伝えました。
現在6月、トラブルはあったものの少しずつ無駄なおしゃべりはなくなり、疲れたということも少なくなりつつあります。ランドセルはまだ学校まで背負っていくことは難しいですが、まだまだ小学校生活が始まったばかり、気長に登校に付き合っていこうと思います。